……何も、思い出せない。
朦朧とする意識の中、少女の声が微かに響き、耳を打つ。
目を開けると、不安げな表情の少女が、じっとこちらを見つめていた。
少女の話によれば、この町には「霊魔」と呼ばれる存在が潜み、
人々に災厄をもたらしているという。
そして、僕の記憶を奪ったのも、その「霊魔」の仕業であるらしい。
僕は少女に導かれ、記憶が戻らぬまま、
霊魔退治の仕事に身を投じていくことになる――。